2009年02月23日

テレビがうちにやってきた。

 有機化学美術館・分館でも書いた通り、テレビに出ることと相成りました。3月19日、朝日放送の「ビーバップ!ハイヒール」という番組で、薬についてトークをかまします。最初は有機化学の話ということだったんですが、局の方で企画を詰めるうち「花粉症の季節だし、一般になじみの深い薬の話で行くのがいいんでは」ということになったようです。


 で、先日、「先生のプロフィールVTR」撮影のため、テレビクルーがうちにやってまいりました。普通は職場で白衣姿なんかを撮ってもらうんでしょう
が、俺の場合職場なんてもんはありませんのでやむなく家での撮影。こんな部屋で撮って、先生としての威厳が台無しになりゃせんかと思うんですが、まあしゃ
あない。



前の日にはあわてて西武へ行き、「こういう事情なんで、あまり『部屋の中で何張り切った服を着てるんだこのおっさんは』と思われない程度の服がほしいんですけど」てなことで、店員さんに見立ててもらってわりとよさげな服を購入。



さらに部屋も片付けないといけない。部屋中に積み上げた本を突っ込むべく本棚もひとつ買ってきて、それっぽく見えるよう薬関係の本を集めて詰め込む。大学教授なんかだと必ず本棚をバックに映るし、やはり知性の象徴だもんな!ということで一晩かけて必死に整理。



……まあ実際には全く映らなかったわけだが……orz。



パソコンで作業している姿を撮りたいということだったので、それっぽい化合物を表示させたりしつつキーボードを叩く。髪型とか服装とかいろいろ注文されるのかなと思ったんだが、そういうのは全くなし。出来上がりが死ぬほど不安です。



と、いきなり「このセリフをカメラに向かってしゃべって下さい」とか言われ、なんか番組のオープニングコメントめいたものをしゃべらされる。いきなり言われても覚えられねえ!てか何度もんだ!白紙で弔辞をさらさら読み上げたタモリは神だと思ったよ、全く。



その後、ちょいと打ち合わせ。当日はハイヒール・筒井康隆・江川達也・たむらけんじの他、チュートリアルが来るとのこと。ブラマヨだったらハゲ薬
のネタとか使えたのにな。女性ゲストは小阪由佳とのことで、誰やねんと思ったらこの間関西の友人からコピーしてもらった番組DVDに出てた。なかなかかわ
いいじゃない。告白とかされたらどうしよう(されません)。



打ち合わせでは風邪薬のこととか、アレルギー反応についてとかいろいろ聞かれたんだけど、あまりよく知らないんだよなー、俺(爆死)。創薬の最上
流で研究をしてた俺が、一般の薬局で売っている薬の話をするというのは、たとえて言えばバット職人に野球の試合の解説をさせるようなもんだという気もす
る。ま、がんばって予習していきます。我ながらこいつで大丈夫なのかという気はしてならないですが。



てなことで収録は25日。頑張って参ります。
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2009年01月15日

実は巨人ファン。

せっかくのブログなんだから何か書けよってことで、野球の話でも。

・ジャイアンツが前ヤクルトのディッキー・ゴンザレス投手を獲得とのこと。去年もジェレミーとルイスの二人のゴンザレスがいたんだがな。ゴンザレスと名がつけば何でも獲るのかジャイアンツ。
背番号もルイス・ゴンザレスと同じ49らしいので、知らん人は投手に転向したかと思いそうだ。
しかし中南米近辺って、ゴンザレスとラミレスとマルチネスとロドリゲスくらいしか名字がないような気もする。佐藤にいわれたかないか。



・今年のドラフト1位・大田泰示をTVやらインタビュー記事やらで見たんだけど、彼はよさそうだなあ。ガタイ(190cm)がいいのはもちろんと
して、18歳とは思えない風格が漂いまくっている。足も速いようだし、スイングスピードは素人目にも異常。手足が長いし、力ばっかりではなく、技術もありそうだ。



何より、インタビューに自分の言葉できちんと答えているのがよい。俺が思うに、超一流のプレーヤーってのは、きちんと自分の思うこと、考えてることを言葉にして表せる能力を持っていると思う。それでないと自分の欠点を把握し、どう対処すべきか、どう管理していくか答えを出せないわけなので。イチローにしろ王にしろ桑田にしろそうだし、将棋の羽生名人なんかもそうかと思う。

日ハムの中田翔なんかも逸材なのは間違いないんだろうけど、その辺の能力が残念っぽいからなあ、彼は……。



ま、少なくともあれだけムードのある18歳は、巨人では松井以来だ。1年目はファームでじっくり、2年目から一軍、3年目からレギュラーくらいの感じでじっくり育ててほしいなと思うのである。
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2009年01月07日

インプットとアウトプット

すっかり野放しのこのブログ、今年はせめて月3回くらいは更新しようと思います(低い目標)。

最近読んだ話なんですが、画家のゴッホは暗い色調の絵ばかり描いていたのが、ある時期を境に急に鮮やかな黄色を多用し始めます。「ひまわり」はその代表ですね。で、これは彼の病気と関係あるんじゃないかという説があるそうです。彼はてんかんの治療のためにジギタリスという薬草を投与されていたそうで(これは今の知識からすると全く見当違いの治療法ですが)、この薬には物体のまわりに黄色い光の環が見えるようになるという副作用があるんだそうです。で、この黄色い光が絵に描き込まれるようになったんではないか、と。なるほどな、と思う話です。クロード・モネも晩年に白内障を患い、そのため画風がどんどん抽象画に近づいていったというのに、ちょっと似た話でしょうか。

ちなみに最近あるイラストレーターさんと知り合ったんですが、物凄い細密な画風の人。で、聞いてみたら彼女はいくら目を酷使しても視力が1.5を切らない、大変目のいい人なんだそうです。なるほどなー、と思いますね。

筆者も丸一日パソコンに向かっているわりには、いまだにメガネのお世話にならなくて済んでいます。ま、絵は才能がなくて描けませんが。ついでにいうと、どうやら筆者はえらく夜目が利く体質のようです。他の人が真っ暗で何も見えないと言ってる時でも、平気でスタスタと歩き回っているんでよく不思議がられます。

筆者は昔天文少年で、一晩中望遠鏡で星を眺めてたりしたもんですが、考えてみりゃこれも夜目が利くおかげだったのかもしれません。他人よりもよく星が見えるおかげで、星空の美しさに感動できたんではないかと思うわけです。もうちょっと目が良かったら、今ごろ天文学者になってたのかもしれません。

そう思うと、人間が出せるアウトプットの質は、インプットされる情報の質に依存するということなんでしょうね。まあ当たり前っちゃ当たり前ですが。舌が鋭くて、美味しい料理に感動できる人が料理人になるんだろうし、耳が鋭くなけりゃ音楽家は務まらないわけで。ちなみにオーケストラの指揮者というのは、CDを聞いていていても「今、前から3番目のバイオリンが間違えた」とわかるんだそうです。もちろんそうなるには、よい音楽をたくさん聴いて訓練を重ねる必要があるんでしょうが。

てことで、今の商売についた以上、せいぜいいい文章、優れた論文をたくさん読まないといかんな、と改めて思っているところです。
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2008年12月08日

裁判員制度のこと

さてこちらのブログ、あまりに放置しすぎだという指摘をいただいた。返す言葉もありません(笑)。某所の日記の方が気楽に書けたりするからなのだけど、まあたまにはこっちにも。

この間筒井康隆が、ブログで裁判員制度について書いていた。

http://shokenro.jp/00000110



この人はもう30年も前に、日本に陪審員制度が復活したという設定の「12人の浮かれる男」という戯曲を書いていて、まあ何でこの人の書くことはこうもきっちり未来を予見するのだろうかと思うのだけど。



で、この間NHKでやっていた裁判員制度の特集を見たのだけど、やはり考えてしまうな。というか知らないことがいっぱいあった。裁判員が回ってきて
もどうせそう重大な事件じゃなく、確率的にいってつまらんスリとか寸借詐欺くらいの事件ばっかりなんだろと思ってたんだが、殺人とか誘拐とか重大事件ばっ
かり裁判員にやらせるんだそうで。何でそんな恐ろしいことをさせるんだか。



秋葉原の無差別通り魔みたいなのは別にして、人殺しだからってそう簡単に死刑判決を下せるかっていうとそりゃ無理だと思うし。医療過誤裁判とか、
専門知識のない分野の裁判なんてまともな判決になると思えない。中には証拠写真とかいって、殺人現場のグロい写真を見せられることもあるだろうからこれも結構きつい。



で、筒井氏も書いているけど、絶対に裁判の内容をブログやら2chやらに書き込む奴は出てくると思うし、筆者自身死ぬまで秘密なんて守れる自信は全くない。そのせいで犯人やら家族に恨まれてトラブルになることも絶対ありそうだし。



なんかやはりどう考えてもこの制度の意味はわからん。国民に司法についてよく考えてもらう機会を与えるっていうけど、何で司法ばっかり機会が与え
られるのよ。だったら国民が経済について知るために10日間トレーダーをやったり、化学について知るために研究室に1ヶ月体験入隊するなりしてもいいだろ
と思うんだけど。



あと直接関係ないけど番組を見てて不愉快だったのは、どっかのおばちゃんが「現役の裁判官がスタジオに来てるのに失礼だけど、どうせこの国の裁判はもうこれ以上悪くなりようがないでしょ」と発言したこと。スタジオも笑いが起こって拍手なんかしてたけど、無礼極まりない。



裁判官もいろいろいるし、失敗ももちろんあるだろうけど、ああいうきちんと訓練を積んだプロがきっちり仕事をしてるからこそこの国は成り立ってる
わけで。首相に向かって汚いヤジを飛ばす議員とかもそうだけど、それなりの手続きと訓練を経て選び抜かれた人物には、一定の敬意を払うべきだと俺は思う。
思想がどうあれ、それなりのポジションの人にはしかるべき敬意を示すのが大人の品格なんじゃないのかね。



失敗とか悪いことをやった奴ばっかりしつこくマスコミが追い回すからこうなるんだと思うが、実際には彼らは95%は間違いなく仕事をして、3%く
らいグッジョブなことをしてるから世の中はうまく回ってるわけで。本物の専門家が尊敬されないってのは、かなり世の中を悪くしてるなと俺は思うのである。
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2008年09月27日

3連敗4連勝の謎

さて19歳の井山裕太八段の挑戦で注目を集める囲碁名人戦、初っぱなから挑戦者が2連勝して大いに囲碁界は沸いております。ま、大方の人にとっちゃ関係ない話でしょうけども。昨日の第3局では張栩名人が1勝を返して2-1ですが、ここは井山君に頑張ってほしいところです。この間の本因坊戦では羽根直樹九段が3連敗後の4連勝という大逆転でタイトルを奪取してるので、何が起こるかわからんのですけどね。

さてその3連敗4連勝、今まで137回行われた囲碁の七番勝負では6回記録されてるそうです。単純な確率で行くと1/64しか起こらないわけだから(でいいんだよな)、相当な率で出てることになります。

が、不思議なのは、今まで将棋では190回の七番勝負が行われているのに、3連敗4連勝というケースがこれまでただの一度もないんだそうです。これはちょっと謎だと思いません?

一つ理由として考えられるのは、将棋は先手が有利なゲームで、トップ同士だと先手の勝率が6割にも達してるんだそうです。七番勝負では先手・後手を交代で持つので(最終局は振り駒)、その分こういう偏った結果が出にくいという理屈です。まあそれにしてもいっぺんくらい起きててもよさそうに思いますが。

7回戦制といえば野球の日本シリーズもそうなんですが、ここで3連敗4連勝は史上3回あるそうです(1958年西鉄、86年西武、89年巨人)。巨人のは加藤哲郎の「ロッテより弱い」という史上最大の失言で大逆転したシリーズとして、非常に記憶に残っております。

が、どういうわけか103回の歴史を誇るワールドシリーズでは、ただのいっぺんもこの例がないんだそうですよ。プレーオフまで含めても、2004年レッドソックスがヤンキースを降した1回きり。何なんでしょうね、これは。

恐らくこれには、精神的要因も大いに作用していそうです。囲碁では趙治勲という七番勝負の鬼がいて、この人が一人で3連敗4連勝を3回もやらかしてます。また、林海峰九段も2回達成してるんで、こういう異常な精神力の持ち主しかできない記録ってこともあるかもしれません。今回記録した羽根直樹本因坊も、精神力には定評がある人ですし。

で、実際に目の前で大逆転劇を何回も見て「大逆転はありうる」と思って戦うのと、「そんなもんありえねえ」と思って戦うのでは、ずいぶん違うはずです。今回の本因坊戦でも、高尾本因坊は第4局を負けた時に「4連敗が頭をよぎった」ということですし。まあトップレベルの勝負事というのは、実に微妙な要因で大きく結果が変わってしまうという一例かもしれません。
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2008年09月15日

囲碁について・その1

さてせっかく作ったこのブログ、だいぶ放置してしまいました。ははは。どうしようかなと思ったけど、筆者の趣味の中で今まであまり書いたことのなかった囲碁について書いてみようかなと思います。あ、興味ないからといって帰ってしまわないように。

囲碁は小さい頃父親に習って、凝り性なもので結構すぐ強くなりました。高校の時は茨城県の高校選手権で個人戦優勝したこともあります。ま、当時は茨城は論外に層が薄かったもんで、俺みたいのが勝ててしまったわけですが。で、この時アマ4段の認定状ももらいました。

大学に入学したら囲碁部に入ったんですが、どうもみんな異様なくらい年を食っている(笑)。みんな碁に熱中しすぎて、留年を平然と繰り返してる人たちでした。テストの時期すら平然と部室に集まって碁ばっかり打ってて、「勉強しなくていいんですか?」と聞いたら「あ、今テスト期間なんだ?」と返されました。そういう浮き世から二重三重にかけ離れた人たちだったのですね。

で、入部希望者です、というと、部長らしき人の前に引き出されて
「どれくらいで打ってたの?」
「えーと、4段くらいです(ちょっと胸を張って)」
「ふーん、じゃまずは星目で一局打ってみようか」
「え?僕が星目ですか?」
星目ってのは、実力が下の者がハンデとして盤面に9個石を置いた状態からスタートする碁で、普通使われる最大のハンデです。アマだと一段差でひとつ石を置くから、4段の筆者に星目置かせるということは、この部長さんは自分が13段だと言ってるわけです。
(なんか勘違いしてないかこいつ。まあいいや、叩きつぶしてやるか)
何しろ、星目置けば当時全盛のトッププロ・趙治勲や小林光一が出てきても勝てると思ってました。ところが打ち始めると、恐ろしいことに全く形勢が好転しない。
(なんなんだよこのおっさんらは……)
背筋が寒くなりつつ、かろうじて危険な大石をしのいで勝ちに持って行きましたが、恐ろしい連中が世の中にはいるもんだと思ったものです。

ちなみにそのI先輩は、数年後にアマチュア本因坊戦の県代表になりました。今にして思うと非常に凄い人たちに稽古を付けてもらっていたことになります。筆者も少しは腕を上げて、最後にはI氏に4子までは追い込んだんですが、それ以上はどうにもなりませんでした。ちなみにそのI先輩も、トッププロと打ったら3子でも勝てないと思います。いったいどういう強さなんだろうと思います。

さらにいうと、藤沢秀行名誉棋聖曰く、「碁の全てを100としたら、自分にわかっているのは4か5くらいだろう」だそうです。てことはたぶん筆者なんか、0.1もわかってないんでしょう。たったあれだけのルールで、どうしてこれだけの恐ろしい深さを持った競技が出来上がるのか、不可思議としかいいようがありません。
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2008年07月24日

国道趣味

せっかく勤めも辞めて自由の身になったわけだから、ドライブにもバンバン出て行きたいわけですが、そこに昨今のガソリン高。定収のない身としては少々つらいところで、最近あまり走り込みもできていないありさまです。ま、たまには出かけてくるか、と先日福島まで行き、登山道おにぎりと別れを惜しんできた次第です。
http://www.org-chem.org/drive/meisho/tozando.html



鉄道趣味は市民権 を得てきたけど、国道はまだまだマイナー中のマイナーと思っていたら、先日酷道をゆく 日本全国の「酷い国道」を走る!!なる本が登場しました。こんな本が出る日が来るとはなあ、と思っていたらすかさず酷道をゆく2が続編として出版されたようで、こちらはなんと酷道走行の様子を収めたDVDつきというアホさ加減(ほめ言葉です)。しかもamazonの順位を見る限り売れてるようなのですね、恐ろしいことに。


去年も「タモリ倶楽部」で国道特集が放映されたわけですが、これがYouTubeに上がっているようで、こちらで見られます。筆者も写真を何枚か提供しております。
 

http://jp.youtube.com/watch?v=9Lwq0Yoesy4

http://jp.youtube.com/watch?v=vwcp7tAc1Zo

 

 ということでそろそろ国道趣味の時代が来るか!という感じもするわけですが、やはりこうなると筆者も国道本執筆ですかね、これは。上記2冊は酷道にスポットを当てているわけですが、俺だったらもうちょっとアカデミックなアングルとか、いろんな書き方ができますぜってなもんですね。「工場萌え」とか廃墟マニアの本が出てるくらいだから、国道もアリでしょう。ということで真剣に企画を練ってみるかと考える昨今であります。
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2008年07月01日

バッティングセンターの少年

 昔から球技は下手だった。ボールが自分の方に飛んでくると何か失敗するイメージしか浮かばず、体が硬直してしまう子供だった。まあ早い話がどんくさいガキだったわけだ。

 ただ野球を見るのは好きだったのと、大学の時住んでいた荻窪駅前にバッティングセンターがあったのとで、よくマシン相手のバッティングはするようになった。試合には出ない。相変わらずボールが飛んでくると硬直してロボットになってしまうからだ。

 そのころから月2〜3回はセンター通いの習慣が続き、今もストレス解消のためによく近所のバッティングセンターでバットを振り回しに行く。1回70〜80球は打つから、3×12×70×20で、トータル5万球くらい打った計算だ。

 これだけ打っていれば、いかにどんくさい男でもさすがに結構サマになってくるものだ。外角低めを左手一本、テニスのバックハンドの要領で軽くヒットすることもできるし、内角胸元の球を体を開いてさばき、痛烈なライナーをはじき返すこともできる。ま、この芸当は行きつけの100km/hコースでしかできず、ちょっとでも球速が変わるとすぐダメダメになってしまうところが俺の相変わらずどんくさいところなのであるが。

 今日もその100km/hコースで打っていたら、後ろでバットを担いだ坊主頭の中学生がじっと俺の打つところを眺めていた。順番待ちかな、と思い譲ろうとすると、小さな声で「いいです」という。
「いいの?もう一回打って」
「あ……はい。……野球やってるんですか?」
「いや、別に。ただバッティングセンター通いが好きなだけだよ」
と、少年は、
「これで打ってみてもらえませんか?」
相変わらず蚊の鳴くような声で言うと、背中に持っていた自分のバットを差し出してきた。
「え?いいの?」
「ええ、ここらへんまでスイートスポットで、打ちやすいですから」と言ってちょっと恥ずかしそうにバットを渡してきた。持ってみるとかなり使い込んでいる感じだったけれど、全体のバランスが良く、グリップも握りやすくてなかなかいい感触だ。
「ありがとう、じゃ1ゲーム使わせてもらうね」
「あ、はい」

振ってみると、あまり力任せに振り回すより、遠心力に任せて軽くミートすると鋭い打球が飛ぶ。打った後に手に残る感触がよく、かなり先っぽで当ててもきれいなライナーが飛んでいく感じだった。

「どうもありがとう、打ちやすかった。いいバットだね」というと少年はにっこりと笑い、丁寧な仕草でバットを受け取った。
「野球部なの?」
「はい、そうです」
「そっか、がんばってね」
「はい、ありがとうございます」
次は彼が打つのかなと思いきや、少年はそのままさっと駆け去って行ってしまった。妙なことをさせてしまった、とちょっと恥ずかしかったのかもしれない。

俺も中学の頃はあんな感じだったのかもな、とふと思った。今のなりからは想像もつかないだろうが、俺も当時はスポーツ刈りで、非常にシャイな子供だった。あれからもう25年も経つわけだ。そらおっさんにもなるわなあ。

ま、ちょっとバットを借りて打っただけだったけど、何とはなしに感動した昼下がりでありました、というお話です。
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2008年06月18日

夢を見た、幻かもしれない。

今朝はどういうわけかえらく白髪が増えている夢を見た。最近何本か白髪が出てきたから、潜在意識で結構気にしてるんだろうか。

基本的に俺はあまり夢を見ない。というか、見てるけど覚えていないのだろう。覚えていたくないくらいしょうもない、いやらしいガッデムでジーザスな夢を毎晩見てるに違いない。

学生時代何度か見て印象に残っているのは、スーパーのレジで「2167円になります」と言われ、財布から2167円札を探すのだが、出てくるのは 1822円札だの3411円札だのばかり。しょうがないから3411円札を出すのだが、「今おつりの1244円札がないからダメです」と断られ、後ろに並ぶ人たちの冷たい視線を浴びながら必死に財布を探るという、中途半端にシュールな夢。たぶん金がなかった頃だから見たのだろう、社会人になってからはぱったり見なくなった。

あと、ごくたまに人を殺してしまった夢を見ることがある。といっても実際に手を下している場面ではなく、すでに人を殺してしまって後悔しているシーンだけの夢。これはえらくリアルで、追い詰められて自首すべきか橋の上で迷う情景まではっきり記憶に残っている。あまりに迫真的で、起きてからもしばらく現実か夢かわからず、夢だとわかって深く安堵する。本当にあの夢の切なさといったらなく、俺は悪いことはせんでおこう、と心から思える。

この話を友人たちにしたら、「えー、お前何かヤバい願望があるんじゃねえの」「前世だかパラレルワールドだかで人を殺してるんだよお前」なんてからかわれたんだが、一人だけ「俺も同じような夢を見る」と言った奴がいた。彼の場合この夢がシリーズものになっていて、見るたびに捜査が進展して徐々に追い詰められているのだという。
「えー、今どこまで来てるのそれ」
「いやー、前回は現場に残ってた俺の血痕が発見されてさ、DNA鑑定にかけられるところで目が覚めた」
「え、じゃ後1回か2回で捕まるんじゃん」
「んー、俺も怖いんだよね。どうなるんだろ最後」
俺としては、彼が海の近くの崖っぷちまで追い詰められ、事件の真相を洗いざらいしゃべった上で海に飛び込む、という船越英一郎ライクなエンディングを予想しているのだが、さてどうなるのだろうか。
posted by Kenta at 11:06| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月12日

背番号マニア

 筆者のHPをご覧の方はご存知の通り、この男は妙にいろいろなもののマニアであったりする。で、今まであまり書いたことがなかったが、実は「背番号マニア」でもあるのですよ僕は。国道もそうなんですが、1から順に通し番号がついているものが好きみたいです。たぶん多くの方には理解不能でしょうが。

例えばたまに時間ができると、「今、エースナンバーといえるのは何番か」なんて調査を始めたりするわけです。2005年シーズンなんかだと18番が12球団合計74勝で、2位の42番の46勝を引き離して断然トップでした。しかし去年の結果を見ると18番は48勝で3位に転落。松坂・桑田が抜けた影響でしょう。1位は意外にも16番の62勝。涌井が活躍した他、各球団まんべんなく勝ってました。2位は11番の53勝。ダルビッシュ・川上憲伸・岸孝之らが稼いだ結果で、そのうち佐藤由規あたりが出てくれば18に代わるエースナンバーということになるかもしれません。

22番なんかはかつてはエースキャッチャーの番号だったけど、佐々木・高津・球児の影響で今やクローザー番号のイメージに変わりつつありますね。今22番のキャッチャーって里崎くらいしか思いつかないもんなあ。

で、筆者はジャイアンツファンなのでありますが、今年の巨人はもうみんな背番号がデカい。加治前50、古城51、岩舘52、加藤56、坂本61、越智62、会田63松本64、東野93、隠善99ってな具合。ゴンザレス49?いたな、そんな奴も。

若手は大きい番号を背負い、一軍定着に従って若い番号に変えるというのは日本独特のヒエラルキー(?)のようで、メジャーなんかだとパペルボンの58、ジートの75、ガニエの83みたいな大きい番号を背負っている一流プレイヤーも多いようです。ま、日本式のシステムドラマが感じられてよいとは思いますが。山口鉄也の102(育成選手)→9947なんてのはそれぞれに意義が感じられてよいなと思います。今年はやはり育成上がりの隠善が99をつけていて、はい上がってくる選手のシンボルみたいでいいんじゃないですかね、これも。

90番台で思い出すのは呂明賜の97で、あれはインパクトがあってよかったと思うんですが、12に変わると同時にフォームまで小さく変えられて、つまらんかったですね。
最近は大きい番号のまま変えずに自分のイメージを定着させようという選手が増えてきたようで(赤星や五十嵐の53とか、斉藤和巳の66とか)、これはこれでこだわりが感じられてよいのかなと思います。阪神なんかはそのへんのこだわりが薄いようで、背番号マニアとしては今ひとつ不満なのだよなあ……。

ま、語り出すと長くなるので(もう十分長いか)、続きはまた別の機会に。
posted by Kenta at 10:54| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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