2009年09月26日

名言シリーズ

「人間は何にでも慣れる。慣れないでいることにすら慣れてしまう」
(半村良 「太陽の世界」)

先日亡くなった栗本薫さんの「グイン・サーガ」シリーズは、129巻までつづいた世界最長のシリーズ小説でした。筆者も全巻持っております。で、その前に全80冊とぶち上げて書き出されたのが、半村良の「太陽の世界」。ムー大陸2000年の歴史を描くという恐ろしく野心的なSFだったんですが、結局18巻で中断してしまい、個人的には大変残念でした。

神話・言語・演劇・推理小説とかいろんな要素を盛り込んだ作品だったんですが、なぜか20年経った今でも印象に残っているのは冒頭の一言。何でこれなんだろう、と自分でも思うんですが、案外心に残る言葉ってのはこんなもんなのかもしれません。
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2009年08月13日

ニッコロ・マキアヴェッリ

「歴史は、戦術を大胆に転換した将軍が勝利を収めることを示している」

戦争に限らず、決断を下さなければならない人たち全てに言えることなんでしょうね。マキャベリズムの元祖、ニッコロ・マキアヴェッリの言葉なんだそうです。「君主論」とかは古典中の古典なので恐ろしく小難しそうなイメージがあるんですが、実は普通に面白い本であったりします。

で、実はこの言葉、後に続きがある。

「そしてまた歴史は、将軍たちが戦術を転換したがらないものであることを同時に示している」

なるほどねえ。みなさんの上司や先生はどうでしょうか。
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2009年07月21日

そして僕は途方に暮れる

てことで名文句シリーズ第2回。今回は歌詞もの。

もうすぐ雨のハイウェイ
輝いた季節は
君の瞳に何を映すのか
そして僕は途方に暮れる


(大沢誉志幸 「そして僕は途方に暮れる」)

25年以上前の曲ですが、梅雨明けのこの時期になると頭をよぎる歌詞です。この曲を聞くために、雨上がりにわざわざ車を走らせたりなんかもします。作詞は銀色夏生、80年代を代表する名バラードといってどこからも文句が来ないと思います。四半世紀にわたって人を切ない気分にさせるというのは、いったいどんな力なんだと思いますが。
日清カップヌードルのCMソングとして使われ、今でも印象に残ってます。YouTubeにあった!


この時期のカップヌードルのCMというのは、いったい誰が選曲してたんだと思うくらいの名曲揃いで、こんなCDも出てたりします。

そして僕は途方に暮れる(大沢誉志幸)
翼の折れたエンジェル(中村あゆみ)
ff (フォルティシモ) (ハウンド・ドッグ)
ガラス越しに消えた夏(鈴木雅之)
地図をください(遊佐未森)
太陽と埃の中で(CHAGE&ASKA)

全くタイプの違う曲でありつつ、どれをとっても時代を代表するような一曲。これを神選曲といわずして何と言えばよいのか。筆者と同年代の方ならわかってもらえるんじゃないでしょうか。
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2009年07月20日

カレーヌの邂逅(グイン・サーガ42)

 気がつけば5ヶ月もブログを放置していた。ははは。ま、いろんな人が見てると思うと、なかなか書きづらいことも出てくる次第なのであります。

 とはいえ、せっかくだから何か書こうではないか俺。たまにはエッセイ的な文章を書く練習もした方がいいだろうしな。ってことで、こういう時はひとつフォーマットを決めて書いた方が何かと書きやすい。てことでテーマとして、「名文句」を毎回ひとつ挙げて、それに沿って何事か書いていく方向で行くのである。小説で・歴史書・科学者の言葉・マンガのセリフ・歌の歌詞などなどから、気に入った奴をアトランダムにセレクトして何か書き綴ろうという寸法です。

 てことで第一回はこれだ。

「時は戻らねえな、グイン」
「ああ」
にがい――しかし、どこか奇妙な甘い響きをおびたいらえであった。
「戻らない。どのように戻したいと望んでも、戻らない」

(栗本薫 グイン・サーガ42巻 「カレーヌの邂逅」 168ページ)

栗本薫氏は先日ガンで病没されました。彼女のライフワークとして30年、127巻に渡って書き続けられていたのがこの「グイン・サーガ」。筆者も20年以上の付き合いでした。まあいろいろな評価はあるわけですが、30年に渡って年4冊以上のペースで書き続け、発売のたびにベストセラーになるなんて力業をやってのけたのは、人類史上栗本薫たった一人だけです。もっと評価されるべき人だ、と筆者は思ってます。

42巻のこのセリフは、様々な変転を重ねて再び巡り会った、二人の主人公グインとイシュトヴァーンの会話。栗本氏は「グイン・サーガの真の主人公は、悠久の時の流れそのものだ」みたいなことをどこかで書いてましたが、してみるとこの会話は「このセリフのためにこの長大な物語は書かれた」くらいの重い一言のような気もします。

読み始めた時はまだ高校生くらいであった筆者も、いつの間にかおっさんと呼ばれる年になり、「時は戻らないな」と噛みしめる年代になってきました。病床でも最後までグインを書き続け、膨大なエネルギーを燃やしながら駆け抜けていった栗本氏のことを思い浮かべつつ、俺もしっかり生きていかにゃいかんな、と思う次第であります。


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2009年02月23日

テレビがうちにやってきた。

 有機化学美術館・分館でも書いた通り、テレビに出ることと相成りました。3月19日、朝日放送の「ビーバップ!ハイヒール」という番組で、薬についてトークをかまします。最初は有機化学の話ということだったんですが、局の方で企画を詰めるうち「花粉症の季節だし、一般になじみの深い薬の話で行くのがいいんでは」ということになったようです。


 で、先日、「先生のプロフィールVTR」撮影のため、テレビクルーがうちにやってまいりました。普通は職場で白衣姿なんかを撮ってもらうんでしょう
が、俺の場合職場なんてもんはありませんのでやむなく家での撮影。こんな部屋で撮って、先生としての威厳が台無しになりゃせんかと思うんですが、まあしゃ
あない。



前の日にはあわてて西武へ行き、「こういう事情なんで、あまり『部屋の中で何張り切った服を着てるんだこのおっさんは』と思われない程度の服がほしいんですけど」てなことで、店員さんに見立ててもらってわりとよさげな服を購入。



さらに部屋も片付けないといけない。部屋中に積み上げた本を突っ込むべく本棚もひとつ買ってきて、それっぽく見えるよう薬関係の本を集めて詰め込む。大学教授なんかだと必ず本棚をバックに映るし、やはり知性の象徴だもんな!ということで一晩かけて必死に整理。



……まあ実際には全く映らなかったわけだが……orz。



パソコンで作業している姿を撮りたいということだったので、それっぽい化合物を表示させたりしつつキーボードを叩く。髪型とか服装とかいろいろ注文されるのかなと思ったんだが、そういうのは全くなし。出来上がりが死ぬほど不安です。



と、いきなり「このセリフをカメラに向かってしゃべって下さい」とか言われ、なんか番組のオープニングコメントめいたものをしゃべらされる。いきなり言われても覚えられねえ!てか何度もんだ!白紙で弔辞をさらさら読み上げたタモリは神だと思ったよ、全く。



その後、ちょいと打ち合わせ。当日はハイヒール・筒井康隆・江川達也・たむらけんじの他、チュートリアルが来るとのこと。ブラマヨだったらハゲ薬
のネタとか使えたのにな。女性ゲストは小阪由佳とのことで、誰やねんと思ったらこの間関西の友人からコピーしてもらった番組DVDに出てた。なかなかかわ
いいじゃない。告白とかされたらどうしよう(されません)。



打ち合わせでは風邪薬のこととか、アレルギー反応についてとかいろいろ聞かれたんだけど、あまりよく知らないんだよなー、俺(爆死)。創薬の最上
流で研究をしてた俺が、一般の薬局で売っている薬の話をするというのは、たとえて言えばバット職人に野球の試合の解説をさせるようなもんだという気もす
る。ま、がんばって予習していきます。我ながらこいつで大丈夫なのかという気はしてならないですが。



てなことで収録は25日。頑張って参ります。
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2009年01月15日

実は巨人ファン。

せっかくのブログなんだから何か書けよってことで、野球の話でも。

・ジャイアンツが前ヤクルトのディッキー・ゴンザレス投手を獲得とのこと。去年もジェレミーとルイスの二人のゴンザレスがいたんだがな。ゴンザレスと名がつけば何でも獲るのかジャイアンツ。
背番号もルイス・ゴンザレスと同じ49らしいので、知らん人は投手に転向したかと思いそうだ。
しかし中南米近辺って、ゴンザレスとラミレスとマルチネスとロドリゲスくらいしか名字がないような気もする。佐藤にいわれたかないか。



・今年のドラフト1位・大田泰示をTVやらインタビュー記事やらで見たんだけど、彼はよさそうだなあ。ガタイ(190cm)がいいのはもちろんと
して、18歳とは思えない風格が漂いまくっている。足も速いようだし、スイングスピードは素人目にも異常。手足が長いし、力ばっかりではなく、技術もありそうだ。



何より、インタビューに自分の言葉できちんと答えているのがよい。俺が思うに、超一流のプレーヤーってのは、きちんと自分の思うこと、考えてることを言葉にして表せる能力を持っていると思う。それでないと自分の欠点を把握し、どう対処すべきか、どう管理していくか答えを出せないわけなので。イチローにしろ王にしろ桑田にしろそうだし、将棋の羽生名人なんかもそうかと思う。

日ハムの中田翔なんかも逸材なのは間違いないんだろうけど、その辺の能力が残念っぽいからなあ、彼は……。



ま、少なくともあれだけムードのある18歳は、巨人では松井以来だ。1年目はファームでじっくり、2年目から一軍、3年目からレギュラーくらいの感じでじっくり育ててほしいなと思うのである。
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2009年01月07日

インプットとアウトプット

すっかり野放しのこのブログ、今年はせめて月3回くらいは更新しようと思います(低い目標)。

最近読んだ話なんですが、画家のゴッホは暗い色調の絵ばかり描いていたのが、ある時期を境に急に鮮やかな黄色を多用し始めます。「ひまわり」はその代表ですね。で、これは彼の病気と関係あるんじゃないかという説があるそうです。彼はてんかんの治療のためにジギタリスという薬草を投与されていたそうで(これは今の知識からすると全く見当違いの治療法ですが)、この薬には物体のまわりに黄色い光の環が見えるようになるという副作用があるんだそうです。で、この黄色い光が絵に描き込まれるようになったんではないか、と。なるほどな、と思う話です。クロード・モネも晩年に白内障を患い、そのため画風がどんどん抽象画に近づいていったというのに、ちょっと似た話でしょうか。

ちなみに最近あるイラストレーターさんと知り合ったんですが、物凄い細密な画風の人。で、聞いてみたら彼女はいくら目を酷使しても視力が1.5を切らない、大変目のいい人なんだそうです。なるほどなー、と思いますね。

筆者も丸一日パソコンに向かっているわりには、いまだにメガネのお世話にならなくて済んでいます。ま、絵は才能がなくて描けませんが。ついでにいうと、どうやら筆者はえらく夜目が利く体質のようです。他の人が真っ暗で何も見えないと言ってる時でも、平気でスタスタと歩き回っているんでよく不思議がられます。

筆者は昔天文少年で、一晩中望遠鏡で星を眺めてたりしたもんですが、考えてみりゃこれも夜目が利くおかげだったのかもしれません。他人よりもよく星が見えるおかげで、星空の美しさに感動できたんではないかと思うわけです。もうちょっと目が良かったら、今ごろ天文学者になってたのかもしれません。

そう思うと、人間が出せるアウトプットの質は、インプットされる情報の質に依存するということなんでしょうね。まあ当たり前っちゃ当たり前ですが。舌が鋭くて、美味しい料理に感動できる人が料理人になるんだろうし、耳が鋭くなけりゃ音楽家は務まらないわけで。ちなみにオーケストラの指揮者というのは、CDを聞いていていても「今、前から3番目のバイオリンが間違えた」とわかるんだそうです。もちろんそうなるには、よい音楽をたくさん聴いて訓練を重ねる必要があるんでしょうが。

てことで、今の商売についた以上、せいぜいいい文章、優れた論文をたくさん読まないといかんな、と改めて思っているところです。
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2008年12月08日

裁判員制度のこと

さてこちらのブログ、あまりに放置しすぎだという指摘をいただいた。返す言葉もありません(笑)。某所の日記の方が気楽に書けたりするからなのだけど、まあたまにはこっちにも。

この間筒井康隆が、ブログで裁判員制度について書いていた。

http://shokenro.jp/00000110



この人はもう30年も前に、日本に陪審員制度が復活したという設定の「12人の浮かれる男」という戯曲を書いていて、まあ何でこの人の書くことはこうもきっちり未来を予見するのだろうかと思うのだけど。



で、この間NHKでやっていた裁判員制度の特集を見たのだけど、やはり考えてしまうな。というか知らないことがいっぱいあった。裁判員が回ってきて
もどうせそう重大な事件じゃなく、確率的にいってつまらんスリとか寸借詐欺くらいの事件ばっかりなんだろと思ってたんだが、殺人とか誘拐とか重大事件ばっ
かり裁判員にやらせるんだそうで。何でそんな恐ろしいことをさせるんだか。



秋葉原の無差別通り魔みたいなのは別にして、人殺しだからってそう簡単に死刑判決を下せるかっていうとそりゃ無理だと思うし。医療過誤裁判とか、
専門知識のない分野の裁判なんてまともな判決になると思えない。中には証拠写真とかいって、殺人現場のグロい写真を見せられることもあるだろうからこれも結構きつい。



で、筒井氏も書いているけど、絶対に裁判の内容をブログやら2chやらに書き込む奴は出てくると思うし、筆者自身死ぬまで秘密なんて守れる自信は全くない。そのせいで犯人やら家族に恨まれてトラブルになることも絶対ありそうだし。



なんかやはりどう考えてもこの制度の意味はわからん。国民に司法についてよく考えてもらう機会を与えるっていうけど、何で司法ばっかり機会が与え
られるのよ。だったら国民が経済について知るために10日間トレーダーをやったり、化学について知るために研究室に1ヶ月体験入隊するなりしてもいいだろ
と思うんだけど。



あと直接関係ないけど番組を見てて不愉快だったのは、どっかのおばちゃんが「現役の裁判官がスタジオに来てるのに失礼だけど、どうせこの国の裁判はもうこれ以上悪くなりようがないでしょ」と発言したこと。スタジオも笑いが起こって拍手なんかしてたけど、無礼極まりない。



裁判官もいろいろいるし、失敗ももちろんあるだろうけど、ああいうきちんと訓練を積んだプロがきっちり仕事をしてるからこそこの国は成り立ってる
わけで。首相に向かって汚いヤジを飛ばす議員とかもそうだけど、それなりの手続きと訓練を経て選び抜かれた人物には、一定の敬意を払うべきだと俺は思う。
思想がどうあれ、それなりのポジションの人にはしかるべき敬意を示すのが大人の品格なんじゃないのかね。



失敗とか悪いことをやった奴ばっかりしつこくマスコミが追い回すからこうなるんだと思うが、実際には彼らは95%は間違いなく仕事をして、3%く
らいグッジョブなことをしてるから世の中はうまく回ってるわけで。本物の専門家が尊敬されないってのは、かなり世の中を悪くしてるなと俺は思うのである。
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2008年09月27日

3連敗4連勝の謎

さて19歳の井山裕太八段の挑戦で注目を集める囲碁名人戦、初っぱなから挑戦者が2連勝して大いに囲碁界は沸いております。ま、大方の人にとっちゃ関係ない話でしょうけども。昨日の第3局では張栩名人が1勝を返して2-1ですが、ここは井山君に頑張ってほしいところです。この間の本因坊戦では羽根直樹九段が3連敗後の4連勝という大逆転でタイトルを奪取してるので、何が起こるかわからんのですけどね。

さてその3連敗4連勝、今まで137回行われた囲碁の七番勝負では6回記録されてるそうです。単純な確率で行くと1/64しか起こらないわけだから(でいいんだよな)、相当な率で出てることになります。

が、不思議なのは、今まで将棋では190回の七番勝負が行われているのに、3連敗4連勝というケースがこれまでただの一度もないんだそうです。これはちょっと謎だと思いません?

一つ理由として考えられるのは、将棋は先手が有利なゲームで、トップ同士だと先手の勝率が6割にも達してるんだそうです。七番勝負では先手・後手を交代で持つので(最終局は振り駒)、その分こういう偏った結果が出にくいという理屈です。まあそれにしてもいっぺんくらい起きててもよさそうに思いますが。

7回戦制といえば野球の日本シリーズもそうなんですが、ここで3連敗4連勝は史上3回あるそうです(1958年西鉄、86年西武、89年巨人)。巨人のは加藤哲郎の「ロッテより弱い」という史上最大の失言で大逆転したシリーズとして、非常に記憶に残っております。

が、どういうわけか103回の歴史を誇るワールドシリーズでは、ただのいっぺんもこの例がないんだそうですよ。プレーオフまで含めても、2004年レッドソックスがヤンキースを降した1回きり。何なんでしょうね、これは。

恐らくこれには、精神的要因も大いに作用していそうです。囲碁では趙治勲という七番勝負の鬼がいて、この人が一人で3連敗4連勝を3回もやらかしてます。また、林海峰九段も2回達成してるんで、こういう異常な精神力の持ち主しかできない記録ってこともあるかもしれません。今回記録した羽根直樹本因坊も、精神力には定評がある人ですし。

で、実際に目の前で大逆転劇を何回も見て「大逆転はありうる」と思って戦うのと、「そんなもんありえねえ」と思って戦うのでは、ずいぶん違うはずです。今回の本因坊戦でも、高尾本因坊は第4局を負けた時に「4連敗が頭をよぎった」ということですし。まあトップレベルの勝負事というのは、実に微妙な要因で大きく結果が変わってしまうという一例かもしれません。
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2008年09月15日

囲碁について・その1

さてせっかく作ったこのブログ、だいぶ放置してしまいました。ははは。どうしようかなと思ったけど、筆者の趣味の中で今まであまり書いたことのなかった囲碁について書いてみようかなと思います。あ、興味ないからといって帰ってしまわないように。

囲碁は小さい頃父親に習って、凝り性なもので結構すぐ強くなりました。高校の時は茨城県の高校選手権で個人戦優勝したこともあります。ま、当時は茨城は論外に層が薄かったもんで、俺みたいのが勝ててしまったわけですが。で、この時アマ4段の認定状ももらいました。

大学に入学したら囲碁部に入ったんですが、どうもみんな異様なくらい年を食っている(笑)。みんな碁に熱中しすぎて、留年を平然と繰り返してる人たちでした。テストの時期すら平然と部室に集まって碁ばっかり打ってて、「勉強しなくていいんですか?」と聞いたら「あ、今テスト期間なんだ?」と返されました。そういう浮き世から二重三重にかけ離れた人たちだったのですね。

で、入部希望者です、というと、部長らしき人の前に引き出されて
「どれくらいで打ってたの?」
「えーと、4段くらいです(ちょっと胸を張って)」
「ふーん、じゃまずは星目で一局打ってみようか」
「え?僕が星目ですか?」
星目ってのは、実力が下の者がハンデとして盤面に9個石を置いた状態からスタートする碁で、普通使われる最大のハンデです。アマだと一段差でひとつ石を置くから、4段の筆者に星目置かせるということは、この部長さんは自分が13段だと言ってるわけです。
(なんか勘違いしてないかこいつ。まあいいや、叩きつぶしてやるか)
何しろ、星目置けば当時全盛のトッププロ・趙治勲や小林光一が出てきても勝てると思ってました。ところが打ち始めると、恐ろしいことに全く形勢が好転しない。
(なんなんだよこのおっさんらは……)
背筋が寒くなりつつ、かろうじて危険な大石をしのいで勝ちに持って行きましたが、恐ろしい連中が世の中にはいるもんだと思ったものです。

ちなみにそのI先輩は、数年後にアマチュア本因坊戦の県代表になりました。今にして思うと非常に凄い人たちに稽古を付けてもらっていたことになります。筆者も少しは腕を上げて、最後にはI氏に4子までは追い込んだんですが、それ以上はどうにもなりませんでした。ちなみにそのI先輩も、トッププロと打ったら3子でも勝てないと思います。いったいどういう強さなんだろうと思います。

さらにいうと、藤沢秀行名誉棋聖曰く、「碁の全てを100としたら、自分にわかっているのは4か5くらいだろう」だそうです。てことはたぶん筆者なんか、0.1もわかってないんでしょう。たったあれだけのルールで、どうしてこれだけの恐ろしい深さを持った競技が出来上がるのか、不可思議としかいいようがありません。
posted by Kenta at 12:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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